子どもの保険って必要なの?子どもの保険のあれこれと保険の知識

この記事でわかること
1.子供の保険の知識
2.子供の医療保険は必要なの?
3.掛けるなら学資保険と共済

 

子供の為の保険を掛って掛けた方がいいの…?
子供ができたら保険について考える事があるかもしれません。保険会社のセールスを受けたり、近所の親御さんからの影響で「うちも子供の保険を掛けた方がいいのかしら…」など保険について考えたりすることは、どこの親でもあることですよね。
「健康保険」「生命保険」「入院保険」「傷害保険」「学資保険」など。子供の為に、どの保険が最適なのでしょうか。
そもそも、子供の医療保険は絶対に必要なのでしょうか?
今回は子供の医療保険について考えてみました。

 

1.子供のための保険の基礎知識

■健康保険

子供は生まれてすぐに親の扶養家族として健康保険に加入します。
健康保険の加入は、子供の様々な手当てを申請しなければ医療費が3割負担となります。
特に何か特権があるわけではなく、強いて言うなら『出産育児一時金』貰える…ということくらいでしょうか。特に、子供になにか特別な特権があるというわけではありません。
親が仕事をして健康保険に加入していれば、自動的に子供も被保険者になります。

■こども保険(学資保険)

子どもは出産から、幼稚園入学、小学校入学、中学校入学、高等学校や大学へ進学…など。
子供は成長の過程で様々なシーンを迎える事となります。
嬉しい成長の過程ですが、どうしても付きまとってしまうのが「お金」です。

幼稚園では、制服やカバン… 小学校ではランドセルや体操着、内履きや外履き、場合によっては制服、中学校でもカバンや制服、教科書代、体操着、内履きや外履き、部活動の費用、高等学校もしかり…。考えたらきりがありません。

かといって、学校に通わせないわけにはいけませんよね。そこで活躍するのが「学資保険」です。
主な学資保険は、教育費を目的とした教育資金の為の保険です。

学資保険も、例えば、満期金が300万円場合でもの幼稚園入学や、小学校入学時に10万円が支払われ、中学校、高等学校入学時に20万円の支払い、そして満期金で200万円を受け取れるパターンの学資保険もあれば、小学校~中学校入学時には受け取れず、満期になると満期金300万円が受け取れるパターンの学資保険もあります。

一概に学資保険と言っても、民間の保険会社それぞれで良い商品もあるので、気になる場合は資料などを数社に取り寄せてみると良いでしょう。

そしてもう1点、学資保険の良い所は、もちろん保険としての機能も兼ね備えているので、契約期間中に契約者に万が一のことがあった場合は満期までの支払いは免除され、祝い金と満期における金額を受け取ることができます。

学資保険に関しては、余裕がある様でしたら是非に加入しておいた方が良いでしょう、
一つ注意点を上げるとすれば、シーンごとに入金される祝い金を臨時収入として使い込んでしまわないこと…でしょうか。

子供の望んだ学校に行けるように先々を見すえて準備しておくことが大切です。

■医療保険

子供の保険については、出産した後にすぐ医療費助成制度を市町村で、手続きし、「マル乳医療証」を受け取ります。まだ子供が小さいうちにはとても活躍する医療証ですよね。

実際私の周りにも、親(特に父親)の医療保険は手厚く掛けているけれど、子供の保険を手厚く掛けている…といった声はあまり聞きません。

たまに「風邪をこじらせちゃって肺炎で入院してしまったの」とは良く聞きますが、そこで莫大な金額が掛かったとは聞きません。ただし、実費でかかる食事代などは負担しないといけません。子供が小さい間は親も付き添い入院が必要ですので、親の食事費用など細々した雑費に意外とお金を使います。

子供の医療保険や手当、助成、傷害保険、医療特約。
いったいどのような保険が最適なのでしょうか。

2.保険の加入形態とケース毎の特徴

■親の保険の家族特約

子供の医療保険は、各自治体によりますが、手厚く保証されています。ですが、どうしても医療費助成制度(マル乳・マル子)で補えない部分の入院時の食事や、差額のベッド代等、余裕があるのなら少しは掛けておくのも安心。という方も、実際に多いのではないでしょうか?

「家族特約」とはどういったものなのでしょうか。
生命保険を掛けている主契約者の被保険者(家族)が亡くなってしまった場合や、重い障害に掛かってしまった場合に、保険金が支払われる特約です。

入院保険の場合は、怪我や、入院、手術が必要となった場合に入院費や手術費が、保険契約の内容に沿って支払われます。
これをファミリー特約や、家族型特約と言います。

家族特約は生命保険だけでなく、車の保険や、傷害保険でも付ける事ができます。
あまり耳慣れませんが、家族への補償もつけることができ、子供の保険を個別に加入するよりも、親の保険に特約を付けた方が金額も安く済む場合が多いです。

ただデメリットももちろんあり、保険契約者の契約が終わると家族特約も終了となってしまいますので、保険の支払いが終わる時期 を確認しておきましょう。支払いが終わる他、主契約者が死亡し、死亡保険金が支払われた場合も保険の終了となります。

それにともない、子供がある程度大きくなったら子供個人の名義の医療保険を契約しておくことも大事です。

■家族傷害保険や家族交通傷害保険

家族傷害保険とは、家庭内、通学途中、部活中、旅行中など、普段の生活の中で起こりうる怪我に対し、通院、入院、死亡、後遺症等の場合保険金が支払われます。
それだけでなく、他人への損害賠償にも傷害保険が適応されます。

私の息子は加入しています!息子がとてもやんちゃで本当に何をするかわからなかったからです。小さい頃に、ご近所の車を木の棒でお掃除してあげた……
なんてことがあり、大変な目にあった事がありました(しかも数台!!)

そんなこともあり、速攻で傷害保険に加入し、今でも掛けています。

幸いなことに、木の棒事件以降は何事もなく過ごしていますが(笑)何かあった時に安心です。
損害賠償は、1億円~2億円ほどの賠償金まで支払われますが、掛け金は2,000円程度です。
2,000円で、何かあった時には安心だと思えば安いものです。

では、家族交通傷害保険はどのようなものでしょうか?
傷害保険とは違い、あまり聞ききなれない保険です。

家族交通傷害保険は、国内外での乗り物による怪我に対して保険金が支払われます。
例えば
・車、バイク、自転車による交通事故
・バイクでの接触事故
・土砂災害による怪我
・建物内の火災による怪我
・駅のホームや階段での怪我
・バスでの急ブレーキで転倒
等です。

死亡保険金、後遺症障害保険金、入院、手術、通院などの保険金が家族に支払われます。
これらは、積立等はなく、掛け捨てとなっています。

■子供向け共済に単独加入

近年、子ども向けの共済も多く、どの会社の商品に加入しようか迷ってしまいますよね。

一概に共済と言っても、学資型(JA)、入院型(コープ)と数種類の共済があります。
共済は、大勢の加入者が掛け金を出し合って「お互いに助け合って」共済事業を担っています。
一番のメリットは掛け金が安いということでしょうか。

共済での有名どころでCO-OP(コープ)共済を聞いたことがあるかと思います。
CO-OP(コープ)共済では、月々1000円の掛け金で日額2000円の怪我の保証、
又入院は日額6000円が保証されます。支払い対象日帰り手術も保障されます。

出典:http://coopkyosai.coop/

入院なら、医療費助成制度である程度の入院費をまかなうことができるので、差額のベッド代、入院時の食事代は入院共済保険で十分まかなえるのではないでしょうか?

また、入院だけでなく、貯蓄型の共済(全労済)もあります。
入院時はもちろん、いざという時の生活費を保証してくれる共済保険です。
全労済では、入院型、貯蓄型、終身型と、自分たちに合ったプランを見つけることができ
ます。

出典:https://www.zenrosai.coop/

ただ、共済も良い事ばかりではなく、柔軟なプランが選べなかったり、途中解約が決まった時期にしかできなかったり、死亡時の保証が安かったりもします。
保険に加入する際には、家族でよく相談して、一番ピッタリのプランを見つけたいものです。

■こども保険・学資保険に加入して医療特約を付加する

学資保険には、医療特約を付けられる商品があるということをご存じでしょか?
学資貯金をしながら医療特約を受けることができる…というと、とてもお得な感じがします。ですが、医療特約を付けると、満期で受け取れる金額が医療保険分少なくなってしまう場合が多いようです。

学資保険に医療特約を付ける場合は、満了時に受け取れる金額や、祝い金で受け取れる金額をしっかりと最初に把握しておきましょう。

学資保険に医療特約を付ける場合は、合わせて共済保険の検討をしても良さそうです。

■子供の保証の重複加入は避ける

 

子供の保険のあれこれを色々と書いてきましたが、片っぱしから良いと言われる保険に加入することは危険です。保証の重複により、保険料が無駄になってしまうケースもあるということを頭に入れておかなければなりません。

子どもがA社の生命保険に新しく加入したが、以前親の保険の家族特約としてB社にも加入済みであったなど、同じ事故での怪我の保険料を重複して支払っている場合が多く見られます。
忘れることなく保険請求出来ればいいですが、無駄になってしまうと元も子もないですね。
生命保険の保証内容はしっかり把握し、家計の無駄は省き、その分を教育資金や生活の補填にあてたいものです。

3.子供に民間の医療保険は本当に必要?

■子供がそもそも入院する確率は低い

出典:https://www.i-hoken.com/

こちらのグラフを見てみると、子供は医療機関に受診することは多いですが、入院すること自体は少ないようです。

万が一入院をしてしまった場合でも、回復も早く、長期化はしないことも多いです。
備えあれば憂いなしとは言いますが、神経質になりすぎて、あれこれ保険を掛けなくとも、
医療費の助成も充実していますので、安心して子育てできます。

■充実した子供の医療費助成がある

これまで、子供の医療保険について書いてきました。
私の考えでは子供の生命保険は掛ける必要はないのでは?と思います。

義務教育就業前の乳幼児が対象の、「乳幼児医療助成制度(マル乳医療証)」と、
小・中学校~高等学校卒業までが対象の「義務教育就学児医療費助成制度(マル子医療証)」。
この2つの制度は入院費も助成されるので、いざという時に困らないように必ず手続しておきましょう。手続きは、出産時に役場に行けば手続きの案内を案内してもらえるはずです。
※ただし、これらは入院時の食事は自己負担となります(自治体によって異なります)

その他、もしも20未満の子供が精神、身体に障害を有してしまい、家庭で監護等必要な場合の手当も手続きをすれば受け取ることができます。
・特別児童扶養手当 1級51,700円/月 2級34,430円/月
・障害児福祉手当: 14,650円/月
・特別障害者手当:26,940円/月
・経過的福祉手当:14,650円/月

支給額(平成30年4月より適用)
引用:厚生労働省ホームページより
https://www.mhlw.go.jp/stf/

など、子供の病床のケースに応じて手当を申請することも出来ます。
もしも、重度の病気に掛かってしまった時は、病院でケースワーカーとしっかり相談をして、手当の申請を怠らなければ、無理なく子供の治療に専念することができます。

■貯蓄性を重視するなら学資保険がおすすめ

各自治体での子供に対する医療制度は、とても充実しているという事が分かりました。

私の娘も実際に、小学校5年生から中学生入学まで大きな病気をし、約1年間入院、放射線治療など高額の治療を行いました。もちろん、上記に記した手当を全て手続きし、その他にも病院で、ケースワーカーの方と相談しながら全ての手続きを行いました。
結果、毎月の医療ポイントは数百万の請求でしたが、実際に支払った金額は数千円程度で済みました。

私の実体験をふまえ、子供の頃は医療に力を入れて貯金するよりも、今後の為に教育資金を貯蓄する方が賢明だと思われます。

4.加入時に選ぶポイント

■契約形態・保障内容の確認・加入目的を明確にする

子供の保険は契約の形態も保証の内容も様々あり、迷ってしまいます。
各家族に合った保険の種類を見極めたいものですが、あまり悩みすぎると保険に入りそびれてしまったりしてしまうことも…。

特に、子供の保険は学資保険も医療保険も加入が早ければ早いほど掛け金は安くなります。
保険は保険のプロに話を聞いてみる事も賢い手です。

■もしもの時はフィナンシャルプランナーに相談

子供の保険は医療助成制度を踏まえ、子供の成長の為しっかりとプランを組んでいくことが大切です。その為にも、一度ファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか?

生命保険はライフデザインでもあります。
ライフデザインのプロに相談し、一緒に最善のプランを立てていくのも得策ですよね。
ファイナンシャルプランナーに相談する事は、特別お金のかかることではありません。
身近な保険会社にはファイナンシャルプランナーの資格を持っている社員も多く在籍しています。
気になる保険会社数社に相談してみるのも手だと思います。

5.まとめ

今回は子供の保険について記事を書いてみました。
一概に保険と言ってもここでは書ききれない位のプランや、種類が沢山ありました。

ただ現在、子供の医療の助成制度がとても充実しているので、大げさに高い生命保険に加入するよりは、学資保険で教育資金の確保、そして共済での入費用の補填、いざといった時の傷害保険の加入といったところが主な保険の掛け方ではないでしょうか。

以前、私の娘が大病をして入院した際、病院のケースワーカーさんと話をする機会が多々あり、私の「こんなに医療制度が充実しているのはなぜなのでしょうか?」との問いに、ケースワーカーさんがおっしゃった言葉を今でも覚えています。「子供の医療制度が充実しているのは、どんな家の子供もお金がないから医療を受けられないという事が無くなる為なので、安心して医療を受けていいんです。」との言葉でした。

子供の医療保険になにも加入していなかった私ですが、安心して闘病生活を子供と乗り切ることができました。それも今となっては良い思い出です。でも、いざ入院になった場合の気持ちは、やはり「入院保険に加入しておけばよかったな…」でした。突然の出来事に後悔しないよう、今できることを今、きちんと手続きしておく。そういったことがとても大切だと思っています。

お子様の健やかな成長、その特別なシーンで困ったりしない様に今から準備をしておきましょう。

ライター:小林 愛