子供が便秘になった!解消法と予防法を徹底解説!

子供の便秘って以外とわかりづらいものです。幼稚園、小学校ともなるとひとりでお手洗いで用をたすので、便通があったかなかったのかなどは、忙しい毎日の中では確認しきれないまま過ごしてしまう事の方が多いでしょう。また、子供も「学校のトイレで大便はしたくない」という気持ちがあるため、我慢しては便が固くなり、出ないが続いて便秘になってしまうのです。このような悪循環を繰り返すとしまいには「巨大結腸症」といって腸が異常にふくらんでしまったりする病いにも発展する可能性もあります。
たかが便秘とあなどることなかれですね。
ここでは、子供の便秘はなぜおこるのか、そしてそれに対応する対処法から予防法まで子供の便秘について深く掘り下げていきます。

この記事でわかること
・子供の便秘の原因
・子供の便秘の解消法
・子供の便秘の予防について

読むのに必要な時間は約 6 分です。

 

1. 子供(主に幼児期)の便秘とは?

便秘とは排便の回数や量が少ない状態をさします。少ないと一口に言ってもわかりづらいですね。具体的にいうと、週に3回より排便が少ない場合や、5日以上出ていない場合は便秘と考えましょう。
たとえ、毎日出ていたとしても、出すときの痛みや出血がある場合も便秘と考えられます。腸に便がたまりすぎると少量の便が頻繁に出て、小さいコロコロとした便や逆にやわらかい便が少しずつ出るという場合も疑いありです。
特に幼児期の便秘はめずらしいことではなく、10人に1人の割り合いの子供が便秘といわれています。離乳食を始めたころやトイレトレーニングの期間や、学校へ通いだした時などは便秘になりやすいのです。
幼児は便秘で左下腹部がきりきり痛むものですが、便秘が原因であるとはわからず病院へ駆け込む経験を持つお母さんの体験談もよく聞こえてきます。その場合はグリセリン浣腸などで便を出しきれば腹痛は治まるのです。しかし、子供のことですから「うんちが最近でていない」などお母さんに伝える能力もまだない場合「お腹が痛い~!」と叫んだらびっくりしてしまうお母さんもたくさんいることでしょう。
子供の便秘で、排便時に苦痛を伴った時は、泣き叫んだりすることが多々ありますので、覚えておいてください。
便秘発症のピークは2歳~4歳です。うんちをする時の痛みによって排便を避けるために
便秘の道まっしぐらとなるわけです。
強制的なトイレトレーニングや学校でのトイレ嫌いも重なって発症するというのが子供の便秘の常といったところでしょう。


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2. 子供の便秘の原因

子供はうんちを出す力が大人に比べると弱いです。でも便秘の原因はそれだけでしょうか?子供の便秘の原因は次の3つに分類されます。
① 身体の発育に関連するもの
② 食べ物の変化に関連するもの
③ 環境や精神的な因子によるもの
です。だいたいこのどれかに当てはまります。
次は年代別の便秘の特徴です。
(1~2歳の便秘)
トイレトレーニングがきっかけとなり、便秘になる子供が多い。プレッシャーやトイレという場所に行って座り用をたすという行為が心的ストレスを生み、便秘へとつながっていく。
(3~7歳の便秘)
幼稚園、保育園などでの集団行動が始まり、性格が強いとか弱いなども大きく関係してきますが、お友達との関係やトイレの場所によりトイレに行きづらさを感じた場合、便秘になることが多い。

これらのことからメンタルの部分が子供の便秘には大きく関わっていることがわかりますね。
では次に、便秘の原因、サイクルをみていきましょう!
(パターン1)
① 腸に便がたまる
② 大腸は水分を吸収するところなので長い時間、便がとどまると水分が吸収されすぎて便が硬くなる。
③ 痛くて出せずに我慢。
(パターン2)
① 腸に便がたまる
② 直腸に便がたまり広がる
③ 普段は腸が広がると便意と脳は捉えるが、この状態が長く続くと便意を感じなくなる。
④ 便意がないので出さない。
そこで、この二つのパターンの悪循環を断ち切らねばなりません。どうすれば良いのでしょう。

3. 子供の便秘を解消するには?

まずは、腸の中を空にすることが大切です。浣腸や薬を使って溜まってしまった便を排出しましょう。この場合は病院を受診するとその子に合ったやり方を提示してくれるでしょう。そしてここからは便秘を解消するためにやるべきことがあります。
① 規則正しい生活
規則正しい食事
軽い運動
②  トイレ習慣の見直し→我慢せずしたいと思ったときにする努力
③ 食事改善→食事の内容を見直す。水分は足りているか?食物繊維はとれている?
一度、腸の中をだしてから 悪循環を断ち切り、上記3つのことを気をつければかなりの改善が期待できます。お子さんの食事や生活改善はお母さんにかかっているのでここはお母さんのがんばりどころかもしれませんね!

■規則正しい生活を送れているか?

先ほどの、気をつける点の中にあった規則正しい生活に注目してみましょう。まずは大人の時間帯に子供をつき合わせてしまっていないか振り返ってみましょう。どうしてもパパの帰宅が遅く、そのため生活音で子供も就寝時間が乱れがちになることはよくあることです。でもここはひとつ、便秘解消のために子供の就寝時間を決めてそれに沿って生活してみましょう。幼稚園に入園したりすれば自ずと疲れて早くねむれて朝もおきられるようになる、ということがあるので焦らず規則正しい生活を目標に毎日をすごしていくとよいかもしれません。

■好き嫌いをしていないか?

お子さんが好き嫌いで食べ物を選り好みしていることはありませんか?子供はおうおうにしてのど越しがよく、やわらかい食べ物が好きです。パンやケーキ、プリンみたいなものでお腹を満たしてしまうと野菜、肉などまで手がまわらず食べずじまいとなってしまっているお子さんが結構多いのです。
「いいえ、うちは市販の野菜ジュースを飲ませているから大丈夫」というお母さん、それは安心できません。市販の野菜ジュースに食物繊維はほとんど含まれていません。そうは言っても、小さい年代で野菜嫌いなお子さんが多いので悩みどころではあります。野菜を食べないことで怒られてもっと野菜嫌いになってしまうという悪循環を繰り返してしまうことも。これでは食生活から便秘を改善することは難しいです。
そんな時、気をつけるポイントとして
①無理に野菜を口に押し込んだりせず、野菜とわかる形ではなく、工夫して食事の中に盛り込む。例えば、パンケーキの中にすった野菜をまぜこんだり、餃子のように中の見えないところに細かく刻んだ野菜を入れ込むなど。
②野菜の美味しさを知ってもらう
かぼちゃ、さつま芋など甘みのある野菜から口に入れた時は「野菜おいしいね。」など声かけをしていく、ということが大切。
④ 野菜を食べることができたという自信
もし、野菜を一口でも、食べられたら「えらいね!」「すごいね」「うれしいね」とたくさんのプラスの言葉で褒めてあげましょう。昨日より今日たくさん食べたなどの進歩も注目すべき点です。野菜を食べることは良いことなんだという認識をつけてあげてください。

食物繊維は大きく不溶性と水溶性に分けられます。
不溶性食物繊維→野菜に多く含まれ、水分を吸収して便の量を増やす効果があります。
豆類:いんげん、ひよこ豆、大豆、など
きのこ類:きくらげ、えのき、しめじ、なめこ、など
いも類:さつまいも、じゃがいも、こんにゃく、など
野菜:切干だいこん、たけのこ、菜の花、など
水溶性食物繊維→海草などに多く、大腸に到達すると腸内環境をよくします。
穀物類:押麦、小麦ふすま、小麦粉など
野菜や果物:ゴボウ、ニンニク、オクラ、アボカド、桃、いちご、りんご、バナナ、など
海藻類:昆布、ワカメ、寒天、ひじき、のり、など
きのこ類:なめこ
どちらの食物繊維も便秘改善に有効です。これらをふまえ、好き嫌いをなくすとどんなに身体に良いか少しずつ子供に教えていくことが大切です。

■水分補給ができているか?

便秘の原因のひとつとして「水分」が補給できているかというものがあります。では、水をたくさん飲めばよいのでしょうか。水をたくさん飲んでも尿で排出されてしまうのではないかという疑問もわいてきます。
その答えとして、補給というより脱水になってしまったら便の水分量は減って便秘の原因となるようです。特に、夏場は汗をたくさんかきますし、脱水状態となると便も硬くなっていきます。大切なのは脱水の予防と言えるでしょう。

■適度な運動ができているか

体を動かすと、腸の活動が活発になり便通がよくなると言われています。幼児の便ともなると、ある程度の硬さのあるものですよね。それをきばって、「えい」っと出すわけですからお腹や腸のあたりの筋力が必要となってきます。硬い便を出すには座りながらお腹に力をいれるわけです。筋肉量が少ないと腸も動きが十分でなくなり便秘となっていることもあるようです。家の中のインドア派で遊ぶ子供が最近多いですね。これはゲームなどの影響もあるでしょう。すると筋力は衰え、便秘も必至になってしまいます。外で友達と走り回る遊びが一番ですが、外は危険があふれている昨今、そうそう子供だけで遊びにいかせるわけにもいかず困っているお母さん方も多いです。そんな時は家の中でラジオ体操、ヨガなど子供と一緒にお母さんも積極的にとりくみましょう。これも便秘解消のためですね。

■幼稚園や保育園ではどうしているのか確認する

子供の便秘の理由として多々あるのが「慣れないトイレで便はしづらい」といったものです。男の子に関しては個室に入る段階で排便するとバレバレなのですから、ひやかされたらどうしようとなって大変です。
そこでお母さんの見ていない園生活でどのくらいの頻度で排便をしているのか、しばらくの間担当の先生に見てもらい知らせてもらってはいかがでしょう。家以外の場所での排便の管理は便秘のお子さんにとっては必用です。

■子供と一緒に記録をつけるという手も

生活習慣(毎日、朝起きたらまず歯を磨いて…)などというように排便は生活リズムに密接につながっています。子供が何をするころに便意をもよおしているのか、などはっきりしたことがわかるように「排便日誌」をつけると良いですね。そんな沢山の内容をかくわけではなく子供が喜びそうなノートを用意して、食べたもの・排便の有り無し・時間・便の形状などを記録。きちんと排便できたら褒めてシールを貼るなど、子供の気分が上がる工夫をすると尚、良いでしょう。病院へその後いくことになった場合も記録として持っていけます。

4. 子供の便秘に効くマッサージ方法

「便がお腹に詰まった状態をなんとかしてあげたい」「即効性があれば…」などお母さんにとって様々な思いが巡りますね。そんな時のお腹マッサージ!!
① 「の」の字マッサージ
おへそから時計周りにお腹をぐるぐると「の」の字を書くようにマッサージ。腸を動かす筋力がまだない場合がこどもにはあるので外から腸を動かすマッサージは即効性があると言われています。腸内につまった便を出やすくする効果は抜群です。便は「の」の字の最後の部分あたりでつまるので、その辺りを強めに押し出す感じでマッサージすると良いでしょう。
② 腸ゆらしマッサージ
便秘の原因として「ねじれ腸」というものがあります。これは腸の形が正常ではなく曲がっていたり、ねじれており日本人の80%がこれに相当するだろうと言われています。これは決まったパターンではなく人それぞれの形状。この腸の人は、腸は動いているのに便がねじれにひっかかっているだけなのです。これをゆらしてやれば、便秘が解消されるようです。
まず、仰向けに寝て腹筋がゆるんだ状態にします。左わき腹と下腹部のS状結腸をゆらすのです。優しくゆるく揺さぶるように。1分くらいが目安です。

5. 子供の便秘に効く食べ物

① キウイ…オリゴ糖がたっぷり含まれており、食物繊維があり理想的。1日1個が目安。
② 植物性乳酸菌…漬物、甘酒、おみそ等の発酵食品に含まれています。
③オリーブオイル…このオイルは小腸で吸収されにくいので腸を刺激し、また潤滑油としてスルンっと便を外に出してくれる作用があります。
ここで便秘解消レシピを一つだけご紹介☆
☆☆大豆ハンバーグ☆☆

出典:https://www.ichijiku.co.jp/

材料…大豆水煮300g
合い挽き肉100g
卵1個
作り方
① 大豆の水煮をポリ袋に入れしっかり口を閉めて麺棒などで袋の上から潰す。
② そこへ、ひき肉・卵・塩コショウ入れこねる。ハンバーグ型に形成して焼く。
味付けはケチャップやソースでどうぞ。
このように1つアイデアを入れてメニューを考えるだけでも食生活はかなり改善されていきます。

6. まとめ

ここまで、子供の便秘についての改善法や予防法をお知らせしてまいりました。
ここで一番重要なことは生活リズムと健全な精神と食事の3本柱だということがわかりました。この3つは幼稚園や小学校で頑張っている幼児期の子供にとっては便秘に限らずこれからの成長に欠かせない大切な要素です。これを親が意識して毎日過ごすだけでも大きく結果が現れてくることでしょう。便秘はその人の生活を映す鏡といえるかもしれません。お子さんの便秘をきっかけに、毎日の生活を見直し、便秘とともに生活の質も上がっていくとよいですね。

ライター名
ライター:清水