『あなたのお子さんは大丈夫?』子供のいびきがひどい時は注意!

この記事でわかること
1. いびきをかく原因と症状。
2. いびきが子供に及ぼす影響。
3. いびきの治療と対策。

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あなたのお子さんはいびきをかきますか?いびきをかく子供はそんなに珍しくはないようですが、激しいいびきや寝ている時に呼吸が苦しそうなら適切な処置や注意が必要です。「寝る子は育つという言葉」があるように睡眠は子供にとってとても重要なもの。質の良い睡眠が取れるよう、いびきについて考えてみましょう。

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1. 子供は基本的にいびきをかかないもの

■寝息が少し荒いぐらいなら大丈夫

子供の睡眠はスヤスヤ眠るのが普通ですが、約10%の子供はいびきをかくと言われています。毎日激しいいびきをかかないのであれば心配いりません。たまに疲れて寝ていびきをかくこともあるでしょう。

 

■.いびきに合わせて胸のあたりに凹みがあるときは要注意

お子さんが眠っている時に、パジャマの胸元をはだけてみてください。胸が呼吸に伴って凹んでいたら注意が必要です。
喉の腫れや鼻詰まりなどの原因で狭くなった気道を通して呼吸を繰り返していると胸が凹むようになります。それを毎晩のように胸が凹むほどの苦しい呼吸を続けていると、胸の中央部が凹んだり、突出した鳩胸になったりします。

 

 

2.睡眠時無呼吸症候群の可能性

みなさんは睡眠時無呼吸症候群をご存知ですか?睡眠時無呼吸症候群とは簡単に言うと睡眠中に呼吸する為の気道が確保出来ずに、無呼吸状態になることです。
しかし、子供の睡眠時無呼吸症候群は大人と違って診断の基準や症状が大きく異なると言われています。発症度は1%〜3%ぐらいだと言われており、大人の場合の多くは肥満が原因ですが、子供の場合喉の扁桃腺の腫れが原因の場合が多いようです。

可能性を探るサインとして、いびきに症状が現れます。
そして、息苦しさから寝相にも現れるそうで、横向きで寝たりうつ伏せで寝る事が多い場合は要注意です。どちらも気道を確保する為の姿勢の場合があり、特にうつ伏せで寝る子の場合はいびきが起こりにくいので気づきにくく危険です。

 

■子供の無呼吸の原因

①扁桃腺の腫れ
子供の扁桃腺は大きめでも不思議ではありませんが、風邪をひいたりするとよく扁桃腺が腫れてると病院で診断されることは珍しくないでしょう。しかし、熱もなく元気な場合でも腫れることはあります。
扁桃腺は外からの病原菌やウィルスに対処する免疫の役割を担う為のリンパ組織の一種。もともと子供は成長していく過程で、感染症などの病原菌から身を守るために、1歳頃から扁桃は大きくなります。そして、6歳ぐらいから9歳ぐらいで大きさと働きのピークを迎え、中学生ぐらいになると小さくなっていく場合がほとんどだそうです。

扁桃腺の病気には主に2種類あります。

 

・扁桃肥大先ほど説明した通り子供の扁桃は大きめでもおかしくはありませんが、身体の免疫力が大人に比べると弱い時期なので、炎症が起こったり、周囲の器官を圧迫し、影響を及ぼすことがあります。
扁桃肥大で起こる症状には、ご飯が飲み込みにくくなる、呼吸がしにくい、鼻が詰まる、いびきや無呼吸、中耳炎や難聴など様々な合併症を引き起こします。・扁桃炎

咽頭痛で最も多い炎症です。子供だけでなく大人も扁桃炎を時々繰り返す事があります。通常は高熱が出て激しい痛みが伴います。痛みと口が開きにくくなり、ご飯が喉を通らなくなる事があります。扁桃炎にかかると通常の風邪薬うりでは中々治らないそうです。

 

 

②鼻と喉の間にある「アデノイド」の肥大
アデノイドとは喉や鼻の奥にあるリンパ組織の一種でバイ菌などから身を守る役割を担っています。子供はまだ骨格が小さいのでこれが大きくなり過ぎてしまうと気道を塞ぎ無呼吸の原因になります。

 

③鼻詰まりや鼻炎などによる疾患
子供の鼻詰まりは夜寝ている時だけでなく、完全に慢性化した状態だと日中、鼻が詰まった状態のため、口を半開きにして口から呼吸をしなければなりません。夜眠っている時に、大人のようないびきをかき続けていたら、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

 

■子供がぐっすり眠れてないと起きる弊害

子供にとって睡眠はただ休息を取るだけの行為ではなく、この時期特有の成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは深い睡眠時の時に分泌されます。そのため質の良い睡眠が得られないとさまざまな影響が出ると言われています。

・落ち着きがない
・情緒不安定
・集中力の低下
・無気力感
・学力の遅れ
・底身長
・長時間の昼寝
・朝、なかなか起きられない
さらに長期化する事で助骨や胸骨の変形や口呼吸の為に歯並びが悪くなるなど、さまざまな悪影響を与えてしまいます。

 

3.子供の無呼吸症候群の治療法

一般的な睡眠時無呼吸症候群の治療法は以下の方法があります。

・マウスピースをはめる
・鼻炎薬などの薬での治療
・cpap(シーパップ)という治療
・手術による外科的処置

などがあります。

マウスピースの場合、インターネットなどで購入が可能ですが、歯医者さんに相談の上作ってもらうのが良いでしょう。ただし、口の中に入れて寝ないといけないので子供によって嫌がる子もいると思いますので無理強いはしないであげて下さい。

 

■保存的治療

軽度の場合、アレルギーなどによる鼻詰まりや鼻炎などが原因でいびきにつながった場合は薬の治療で様子を見る場合が多いかと思います。この場合、ハウスダストの除去や適度に加湿するなどして室内の環境を整えるようにしましょう。

中度から重度と認められた場合、cpap(シーパップ)と呼ばれる治療法があります。一般的には専用のマスクを鼻に付けて圧力を掛けて空気を送り込むという治療法です。圧力により鼻から気道を広げて無呼吸の状態を防ぐ働きがありますが、シーパップは長期の治療に用いれられている方法で、定期的な通院が必要になります。

 

■手術治療

もし検査結果で、扁桃腺の肥大やアデノイド肥大が見つかると、手術による外科的処置を取る場合があります。具体的にいうと肥大した部分を切除して気道を広げる手術になります。
入院はだいたい一週間から10日程度、全身麻酔の上で手術となります。口を開けて口からの手術にまりますので首など顔に傷口が残ることはありません。
手術となると不安に思われるのが当然です。納得がいくまでお医者さんと相談して決められる事をおすすめします。

 

 

4.まずは医師に相談を

毎日きになるいびきの場合は一度、専門のお医者さんに診てもらう事をおすすめします。睡眠時の無呼吸症候群は鼻の状態や喉の扁桃腺の状態を見る事が出来る耳鼻咽喉科や内科で呼吸器科、循環器科などでも診てもらう事が出来るところもあります。また、大きい病院などでは睡眠を専門とする科もあります。
もし見つからない場合はかかりつけのお医者さんに一度、症状などを伝えて相談してみましょう。その時、睡眠中の映像などを残しておき、診察時に診てもらうと判断しやすくなります。

 

■お近くの耳鼻咽喉科へ

小さいお子さんなど寒い時期が来るとよく鼻水が垂れやすくなるでしょう。風邪やアレルギーに鼻炎に鼻詰まり、こういった症状からいびきを引き起こすことがあります。ご自宅で鼻吸引機をしようにも子供が嫌がって中々出来なかったりします。鼻炎が一時的な事なら良いのですが鼻水や鼻詰まりが長引いたり、鼻詰まりが治っても口呼吸をする様になると喉の扁桃腺が腫れる原因になります。これらの症状があったら早めに耳鼻咽喉科へ診てもらう事をおすすめします。

 

 

5.まとめ

いかがでしたか?はじめはいびきで病院へ行くなんてと思われた方もいるかもしれません。何気なく聞いているいびきですが、まだ成長期である子供にとっては良い睡眠を取る事がとても重要です。子供は自分で訴える事ができません。寝ている時の呼吸音がしっかりしているか、ママとパパがしっかり観察してあげて下さい。そしてお子さんに質の良い睡眠生活を送れますように。