【たかが鼻水と見過ごさないで】子供が鼻水を出したら取るべき対応

この記事でわかること
・かかりつけの耳鼻科を持とう
・鼻水のとり方
・おすすめ鼻水吸引グッズ

寒かったのが急に暑くなったり、暑かったのが急に寒くなったり、ここ数年、季節の変わり目は何かと極端で体調管理が大変ですよね。小さい子供はすぐ風邪を引くので親としては何かと気をもむことが多い時期です。

そんな子供の風邪で症状が鼻水だけの場合だと、病院に連れて行くべきか自宅で様子を見るべきか判断が難しいと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、子供の鼻水の対処の仕方を調べてみました。

 

 

1.子供の鼻水

体調を崩すと子供はすぐに鼻水を出してしまいます。いつものことだからと放置するのが当たり前になってしまっている方はいませんか?鼻水が出るのは風邪だけではありません。風邪の症状は治まっているのに鼻水が何週間も続く場合は要注意です。

■鼻水の種類

正常な状態だと1日1リットル以上分泌される鼻汁ですが、風邪を引いたり鼻の病気にかかったりするとその分泌量はぐっと増えます。鼻水には大きく分けて2種類があり、鼻がどんな状態にあるかによって出る鼻水が変わってきます。

① 水様性鼻漏
透明で粘度が低くサラサラな鼻水です。アレルギー性鼻炎や風邪による急性鼻炎のときに出てきます。

② 粘膿性鼻漏
白濁していたり黄色や緑など色がついていて、かつネバネバしている鼻水です。風邪による急性鼻炎や、副鼻腔炎などによって細菌感染を起こしているときに出てきます。臭いを伴うこともあります。

■長引く鼻水に考えられる病気、また、鼻水が原因で起こってしまう病気

一般的に、風邪による急性鼻炎は1~2週間もすれば治ります。それ以上鼻水が出続けている場合は何か他の病気が隠れているのかもしれません。また、鼻水が長引くと他の病気へとつながってしまう場合もあります。

① 水っぽい鼻水が長引く時
くしゃみ・鼻づまりを伴っている場合、アレルギー性鼻炎の可能性があります。原因となる抗原の除去・回避を行うことが大事です。アレルギー性鼻炎が長引くと、慢性鼻炎や副鼻腔炎に移行してしまうことがあります。

② 色が濃く粘り気のある鼻水が長引く時
副鼻腔炎の可能性があります。鼻水だけではなく頬や頭が痛んだり発熱する場合もあります。副鼻腔炎にかかる原因として、風邪などの急性鼻炎やアレルギー性鼻炎から副鼻腔炎からの移行や、虫歯や腫瘍が原因となっている場合などが考えられます。子供の場合には、鼻に異物が詰まって副鼻腔炎となる場合もあります。

〈鼻水が引き起こす病気〉
① 中耳炎
鼻水が引き起こす病気に中耳炎があります。
鼻の奥と耳とは耳管という管でつながっています。中耳炎は、鼻水の中のウィルスや細菌が耳管から中耳へと伝わり炎症が起きる病気です。
子供の骨格は成長途中であるため、大人に比べると耳管が短く水平でウィルスや細菌が耳へ移りやすく、中耳炎になりやすいので注意が必要です。
鼻をすする癖はウィルスや雑菌を耳へと送ってしまうことがあるので、できる限りやめさせましょう。

② 慢性副鼻腔炎
色のついた粘性のある鼻水が出る副鼻腔炎の症状が3ヶ月以上続くと、慢性副鼻腔炎となっている可能性があります。アレルギー鼻炎や急性副鼻腔炎などの炎症が原因となって副鼻腔から膿や粘液が排出されない難治の状態です。

■長い間鼻水が止まらないという時は病院へ

たかが鼻水と侮っていると、鼻水の後ろに隠れている大きな病気や鼻水が引き起こす新たな病気を見落としてしまうかもしれません。

発熱がなく鼻水しか出ない子供を小児科へ連れて行くことに抵抗を感じる方は、より専門の科である耳鼻科で受診することをおすすめします。

耳や鼻の病気は子どもの発達に大きく関わる部分です。気楽に通えるかかりつけの耳鼻科があると、ちょっとした鼻風邪でも診察してもらえますし、重症になる前に気づいてもらえるので安心です。

また、冬場に小児科や内科へ行くと待合で他の病気に感染してしまうのではないかという不安がありますが、耳鼻科だとその危険性が低くなる点も、耳鼻科をおすすめする理由の一つです。

小児科だけではなく耳鼻科の病院もかかりつけ医を持って、より効率的に子供の健康を管理していきましょう。

2.鼻水のとり方

まだ鼻をかめない年齢の子供の出ている鼻水を拭こうとして、逃げられたり暴れられたりと苦労した経験をもつ方は少なくないはず。

ですが鼻水を放置すると衛生的に良くないですし、鼻の下の肌が荒れて鼻水を取るのをますます嫌がるようになってしまうかもしれません。

そこで、より手早く鼻水を取る方法や、子供向けの鼻をかむ練習法など調べてみました。

■鼻水のとり方

鼻水が固くなって取りづらい場合に有効なのが蒸しタオルです。

ハンドタオルなどを水に濡らして電子レンジで10~20秒温めてできた蒸しタオルを、子供の鼻の下に充て蒸気を吸わせると、鼻水がゆるくなり取りやすくなります。ただし、火傷しない温度か十分に確認してから使ってくださいね。

また、1/4の幅に折りたたんだティッシュペーパーを子供の鼻の下に当て、ティッシュを滑らせて鼻水をとる「お鼻スルスル」というテクニックもあります。

こちらのテクニックは、Cheers!mama[チアーズママ]というサイトの『鼻水を拭くことが楽しくなる魔法! 「お鼻スルスル」』(2013.06.28)に詳細があります。

Cheers!mama[チアーズママ]

このテクニックを使えば優しく鼻水を抜き取れるので、鼻を強くかみすぎて子供の耳が痛くなるようなこともありません。慣れれば短時間でできるので、小さい子供の鼻水を取るのもかなり楽になりますよ。

■鼻をかむ練習をしよう


子供が保育園や幼稚園に行くようになると、親が子供の鼻水を拭いてあげる機会は減ります。家の外で子供が困らないよう小さい子供にも鼻をかむ練習をさせたほうが良いでしょう。

そこでオススメするのが、遊びを取り入れたトレーニングです。

鼻に小さく丸めたティッシュを詰めてそれを飛ばす練習や、テーブルの上にちぎったティッシュを数個置いて鼻息を出してティッシュを飛ばす練習などがあります。遊び感覚でできるトレーニングなので、親子で競争するのも楽しそうですね。

どちらのトレーニングも鼻の穴一つは指で抑えて片方ずつ鼻息を出すことや、鼻から息を強く出しすぎないことに注意しながらトレーニングしましょう。

トレーニングを詳しく紹介したサイトのリンクがありますので、気になる方は見に行ってみてください。ただし、トレーニングは鼻水が出ていないタイミングで行ってくださいね。

「簡単! 鼻かみ上達法」

鼻のかみ方を練習しよう【こもも日記】

鼻かみを練習する器具も販売されています。ティッシュの訓練に飽きてしまい練習が続かない場合は、このような器具を取り入れた練習も良さそうですね。

 

【はなかめるゾウ】

出典:https://www.kaneson.co.jp/

搾乳機や母乳バッグなどの育児関連商品を販売しているカネソンから販売されている鼻かみ練習器です。

上手に鼻から息を出せれば象のイラスト付きの風船が膨らむ仕掛けとなっています。実際の使い方が説明されているカネソン公式のYouTubeの動画がありますので、気になった方は一度ご覧ください。

■合わせて耳掃除の知識も付ける

子供の鼻水のとり方を覚えたら、一緒に覚えたいのが耳掃除ですね。ただ、子供の耳は小さく皮膚も柔らかいので、力の加減を間違えるとすぐ傷ついてしまいます。小さいうちは綿棒やガーゼで外耳(耳の外側)を軽く拭く程度に留めておいたほうが無難です。外耳部分だけの掃除も、やりすぎると外耳炎という病気になってしまうことがありますので、子供の耳掃除をする際は細心の注意を払いましょう。


子供の耳の中に大きな耳垢が見えて気になる場合は、耳鼻科の受診をお勧めします。耳鼻科を受診すれば、専用の器具で取ってくれます。数ヶ月に一度、鼻水や咳が出ているタイミングで受診すれば、耳鼻科の先生なら耳も見てくれますし、掃除が必要なタイミングであれば耳垢掃除もしてもらえます。

親が耳掃除をして子供の耳の中や鼓膜に傷をつけてしまうと結局受診しなくてはならなくなるので、ここは危険性の少ないプロにお任せしましょう。

 

3.おすすめの鼻水吸引グッズ

鼻水を吸引するグッズは店頭やネットでも多く販売されています。的確に取れて衛生的な商品をいくつか探してみましたのでご紹介しますね。

【ピジョン ドクター鼻吸い器】

子育て用品を数多く製造・販売しているピジョンの商品です。スポイト式で、小さく持ち運びでき、煮沸・レンジ・薬液消毒全てに対応しているスグレモノ。
コツを掴めばあっという間に鼻掃除できるようになりますよ。

 

 

【SeastarベビースマイルS-303】

出典:https://www.seastar.co.jp/

シースター株式会社から販売されている携帯の電動鼻水吸引器です。ボタン一つで簡単に操作でき、鼻水が触れる部分は簡単に水洗いができます。電動ながらも持ち運びできるサイズなのも良いですね。

 

 

【Seastar メルシーポットS-503】

出典:https://www.seastar.co.jp/

シースター株式会社から販売されている電動鼻水吸引器です。耳鼻科レベルの鼻水吸引を自宅でできる機器です。

スイッチを入れてノズルを子供の鼻に入れるだけで吸引できる手軽さながら、鼻の奥のしつこい鼻水にも対応できますが、取り扱いには注意が必要なので製品情報を確認の上ご購入・ご使用ください。

 

【ハナキューチャンUセット】

出典:https://item.rakuten.co.jp/

本格的な電動鼻水吸引器は高価で手が出にくい方におすすめしたいこの商品は、掃除機につけて使うタイプの鼻水吸引器です。

出典:https://item.rakuten.co.jp/

ハンガリーなどではこういった掃除機取り付け型の吸引器が一般的だそうですが、日本ではまだまだ馴染みが薄いですよね。

掃除機を使いますが吸引力は耳鼻科の吸引より少し弱い程度まで抑えられていて、そこから更に自分で圧力を調整でき、器具は薬液消毒できるので衛生的に使えます。

 

4.まとめ

小さい子供が言葉を獲得していくのに耳の機能は欠かせません。鼻水は放置すると中耳炎から難聴を引き起こす可能性があり、子どもの発達にも関わります。

たかが鼻水、されど鼻水。小さいうちから耳鼻科のかかりつけを持つことは、子供が正常に発達していくうえで非常に有効な手段です。