『赤ちゃんの心はどのように育つのか』著者・今福先生に聞いた!子どもの教育について。

アイキャッチ

このサイトをご覧になっている方の多くが、子育て中のママ・パパだと思います。私も現在6歳の子どもがいます。日々子育てをするなかで、1つ重要としているのが教育です。

子どもにとって教育は勉強だけではありません。「ヒトは生きている限り学び続ける」という言葉があるように私たち大人も同じです。

この記事では、武蔵野大学教育学部・講師の今福理博先生に取材をし、子どもに関わる向き合い方や、教育についてお話しを伺ったことをシェアします。

今福先生は5月10日に『赤ちゃんの心はどのように育つのか:社会性とことばの発達を科学する』を発刊されるほど、子どもに関わる教育について様々な活動をされています。

赤ちゃんの心はどのように育つのか
出典:https://amzn.to/

ぜひ最後までご覧ください!

この記事でわかること
1 今福理博先生について
2 5/10発刊の著書について
3 今福先生からのアドバイス

読むのに必要な時間は約 4 分です。

1. 『赤ちゃんの心はどのように育つのか』

■今福理博先生について

今福 理博さん

今福 理博(いまふく まさひろ)

・1987年
・東京生まれ。
・武蔵野大学教育学部講師。
・WEBサイト:https://sites.google.com/

■5/10発刊の著書について

-もうすぐ発刊される著書『赤ちゃんの心はどのように育つのか』について、今福先生からお話を伺いました!

『赤ちゃんの心はどのように育つのか』
【第1章 心の発達を科学する[第1節]より抜粋】
「赤ちゃんや子どもの心をどう育むのか。それを考えるためには、赤ちゃんや子どもの発達段階や、発達の個人差を理解することから始めなければなりません。心の発達について理解できれば、適切なかかわりができるようになり、子育ての不安が安心に変わります。さあ、心の発達について学んでいきましょう。」

今福先生

赤ちゃんの行動が理解できないと、子育てに対する不安が大きくなるのは当たり前のことです。

『赤ちゃんの心はどのように育つのか』では、社会性やことばの発達、神経発達症(発達障害)、これからの子育てで大切な社会情動的スキル(非認知スキル)、デジタルメディアの影響、学校でのいじめ問題、貧困や教育格差、自己肯定感や幸福感など、心の育ちをめぐる最前線を科学的にわかりやすく紹介しています。

明日からの子育て・保育・教育に役立つ知識が満載ですので、是非お手にとってみてください。

 

赤ちゃんの心はどのように育つのか
出典:https://www.amazon.co.jp

2.今福先生に質問してみた!

■子どもに関わる多様な研究をされるきっかけは?

-今福先生は子育て・教育など、子どもに関わる多様な研究をさていらっしゃいます。どの様なきっかけがあったのでしょうか?

今福先生

もともと子どもに関わる仕事がしたいと思っていました。
「よりよい教育」をするにはどうしたらよいのかを考え、生物としてヒトを理解し、ヒトの特性に見合う教育を行う必要があるという思いにたどり着きました。

大学院では、ヒトの心の発達の仕組みを科学的根拠(エビデンス)をもって解き明かす発達科学・発達心理学という学問を専攻し、以降研究を継続してきました。

子育てや教育には、経験則でなんとかなる場合もありますが、そうでない場合も往往にしてあります。子どもたちの幸せを第一に考えて行動できる社会になるよう、研究をしています。

■子育て・教育において大切なこと

-今福先生がお考えになる子育て・教育において大切なことや、欠かせないことはありますでしょうか?

今福先生

科学的根拠(エビデンス)のある研究成果を、子育てや教育をする人はしっかりと勉強する必要があると思います。

例えば、大きな声で子どもを叱責することを「しつけ」という教育的にはよさそうな言葉で呼ぶ人がいます。

実際に、文部科学省の学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例でも、「立ち歩きの多い児童生徒を叱って席につかせる」などは認められる懲戒とされています。

しかし、叱責によって、子どもは精神的苦痛を受ける場合が多くあります。精神的苦痛を与えるような叱責は、子どもにとって「よい」といえるのでしょうか?

叱責によって、子どもは大人にとって都合の悪い行動をしなくなるかもしれませんが、それは適切な教育方法なのでしょうか?必ずしも正しいものではなく、改善されていかなければなりません。

様々な背景をもつ子どもたちの特性を理解し、適切な教育方法を選択する必要があるのです。

また近年、世界と比べて、日本の子どもたちの幸福感が低いことを示唆するデータが報告されています。

子どもたちの幸福感を育む子育て、教育が、今求められているのではないでしょうか。

 

■今福先生の体験談

-実際に今福先生が子どもと触れ合うなかで実践されて、「よかったこと」はございますでしょうか?

今福先生

2歳のお子さんがシャボン玉で遊んでいて、私はその様子を見ていました。その子が大きなシャボン玉を作ることができたときに、

「大きいのできたね!」

と言うと、とても嬉しそうな表情をしていました。その後、大きいシャボン玉ができると、

「大っきいのできた!」

とまた嬉しそうに教えてくれました。その子の成功を一緒に喜んであげることが、自信につながるのかもしれません。

 

3.今福先生からのアドバイス

-子育て中のママに向けて、子育て・教育の面でアドバイスはありますでしょうか?

今福先生

「このような時には、このように関わるのがいいですよ」と一つ一つの事例をあげて答えたいところですが、例えば、赤ちゃんの発声を真似してあげると、赤ちゃんの発声が増え、大人から言語を学習することにつながります。

言語を十分に話すことができない赤ちゃんも、日々たくさんの学習をしています。

赤ちゃんの一つ一つの行動にも意味があり、どのような関わりが赤ちゃんの発達にとって適切であるのかについても、科学的知見が蓄積されてきています。

そのような知見を知ることで、子育てや教育への不安が解消され、適切な関わりができるようになるでしょう。
ぜひ、参考にしてみてください。

 

4.まとめ

今福先生のお話しでは、私たちが子どもとの向き合い方を考えさせられものがありました。子育てや教育に正解はありませんが、専門家の方からのアドバイスは私にはとても響きました。

この記事をご覧の皆さまも、今福先生の著書『赤ちゃんの心はどのように育つのか』を、お子様との接し方や教育についてのご参考にしてみてはいかがでしょうか?

今福先生、取材のご協力本当にありがとうございました。

 
 ライター名
山石/YAMAISHI